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阿部 仁; 田代 信介; 三好 慶典
日本原子力学会和文論文誌, 6(1), p.10 - 21, 2007/03
施設の安全性を総合的に確認するためには、万が一臨界事故が発生したと仮定した場合の環境影響を定量的に評価することが重要であり、そのためには事故時の印加反応度や反応度添加速度を現実的に模擬し総核分裂数や出力の時間履歴等を解析・評価するための基礎データ及び手法の整備が必要である。計画されているMOX燃料加工施設のMOX粉末調整工程では、密度調整等のためにMOX粉末に対してステアリン酸亜鉛が添加される。ステアリン酸亜鉛は中性子減速効果を有するため、誤操作等によって過剰に添加された場合には、MOX燃料の臨界特性に影響を与える可能性がある。ステアリン酸亜鉛の過剰添加によって、万が一、臨界事象が引き起こされた場合には、ステアリン酸亜鉛は、加熱されて融解や熱分解等の物理・化学的変化を受ける。これらの変化はMOX燃料の核的な動特性に対して影響を及ぼす。また、熱分解によるステアリン酸亜鉛の消費は、臨界事象の停止機構の一つとなりえるものと考えられる。本報では幾つかの熱分析装置を用いてステアリン酸亜鉛の吸発熱特性データ及び熱分解ガス発生特性データを取得するとともに、これらを適用した事故時のステアリン酸亜鉛の熱分解特性評価モデルの検討を行った。
川崎 亮*; 渡辺 龍三*
PNC TJ9601 93-004, 68 Pages, 1993/03
高速増殖炉において用いられている燃料被覆管は、その環境の苛酷さよりさまざまな条件が課せられるため、現在用いられているSUS316材では比較的短期間の稼動で交換しなければならない。そこで本研究では長寿命の燃料被覆管を作製するために、スラリーディップ法を用いた傾斜機能材料の考え方を導入して、より耐食性、耐熱性に優れた材料を作ることを目的としている。基板は、SUS304粉末を金型およびCIP成形した円柱状の圧粉体とした。金属粉末をエタノール中に分散させたスラリー内に基板を浸漬し、引上げ、乾燥させ、CIP成形した後、HIP焼結した。傾斜材は組成の異なるスラリーに、同様の手順で順次浸して積層した後、HIP焼結した。焼結体については組織観察、SEM-EDX解析、EPMA解析、熱応力解析などを行い、さらに熱的安定性評価も試みた。Mo粉末の粒径および体積濃度を変化させてスラリーを調整し、均一なスラリー塗布層を形成するための条件を最適化した。Moが1層のみの時に比べ、傾斜組成制御した方が接合状態も良くそれは有限要素法による熱応力解析結果からも明らかである。SEM-EDX、EPMA解析から組成の傾斜および酸化物などの存在が確認された。熱的安定性については実験前後で大きな変化は見られなかった。以上の結果から、円筒状傾斜組成制御層の形成にスラリーディップ法が有効であるとわかった。
馬場 恒孝; 田代 晋吾
JAERI-M 8706, 20 Pages, 1980/02
高レベル廃棄物ガラス固化体を貯蔵、および処分したときの安全性を確かめる試験の一環として、廃棄物の崩壊熱によって受ける固化体の影響、すなわち熱的安定性を知るため模擬廃棄物を含有したゼオライト添加のホウケイ酸ガラス固化体について転移温度、失透温度、廃棄物成分の揮発等を調べた。その結果、次のような知見を得た。(1)示差熱分析結果から確定した固化体含水量の多いものほど(最大、0.23wt%)固化体の物性(浸出性)は劣っており、この含水量の測定結果が固化体物性の評価の目安として使用できる。(2)固化体組成中のBO配合比を増加させることにより、失透温度域が低温側に移行する。また廃棄物、およびCO配合比の増加は最大結晶化温度を高温側移行させる。(3)高温加熱時におけるガラス固化体中の廃棄物成分の揮発率は850C以上の温度で急増し、950Cでは850Cでの揮発率の2~4倍になる。
太田 充; 大和 春海*; 森 茂
日本原子力学会誌, 13(5), p.259 - 266, 1971/00
現在核融合を目指したプラズマの閉込め実験が世界各地で行われており,その進歩は著しい。しかし,核融合炉の炉心となるプラズマの閉込めが可能になった場合でも,炉としての機能を発揮するまでには解決せねばならぬ種々の工学的問題がある。その中で炉心となるプラズマ自体に着目した場合,プラズマの動特性および制御,プラズマ加熱,燃料補給などの問題がある。現在まで,炉心であるプラズマの動特性および制御についてはほとんど解析されておらず,Millsが単純なモデルでD-T炉の場合の安定解析をしているにすぎない。彼は,粒子数の変動および制動放射損失を無視し,核反応でHe粒子に与えられるエネルギーと冷たい燃料の加熱エネルギーとの釣合い状態にある核融合炉の安定解析を行なっている。その結果,閉込め時間が温度によらず一定の場合,炉は一般に温度の変動に対して不安定であり,プラズマ温度が28keVのときのみ安定である。また閉込め時間がボーム型で温度に反比例するときは728keVで安定であると結論している。
小川 新*; 大野 真也*; 吉越 章隆
no journal, ,
グラフェンは、次世代の電子デバイス材料として有望である。放射光光電子分光を用いたその場観察によって、Si基板上のグラフェンの熱的安定性に関する評価をしたので報告する。酸化シリコン基板上にCVD成長したグラフェンのC1s, O1s, Si2p光電子分光実験をSPring-8 BL23SUの表面化学実験装置を使って行った。グラフェン構造の温度依存性を観察し、室温ではシリコン酸化膜に張り付いた構造になっているが、温度上昇とともに表面法線方向に動いて浮き上がった状態を取ることが示唆された。
渡邊 未来*; 宮本 吾郎*; 諸岡 聡; 古原 忠*
no journal, ,
TRIP鋼では、オーステンパー処理中のベイナイト変態を活用して未変態オーステナイトに炭素を濃化させて安定化し、室温でオーステナイトを残留させている。残留オーステナイトの安定性はその粒径,形態および組成に依存するが、その定量的な理解は進んでいない。そこで、本研究では中性子回折を用いたベイナイト変態中の炭素濃化挙動のその場観察および、FE-EPMAとEBSDの同視野観察により、炭素濃度分布および粒径の不均一性がオーステナイトの熱的安定性に及ぼす関係を調査した。中性子回折の結果として、673K保持におけるオーステナイトの回折プロファイルの変化から、変態後期では、低炭素のオーステナイトが優先的にベイナイト変態することが分かる。一方で、微視組織観察の結果として、粒径の小さいオーステナイトほど炭素濃縮しやすいことがわかる。また、同じ炭素濃度でも粒径が小さいほどオーステナイトとして残留していることから、粒径微細化によるMs点の低下が現れたことが示唆される。